【不動産に潜む責任リスク】

【本日の談話室】第16話
~不動産に潜む責任リスク~


何気ない日常の中にも
実は“知らないと損をする法律”が潜んでいます

このシリーズでは
その中でも、特に身近な法律事例を紹介します



午後の光が差し込む談話室

扉を開けて入ってきた男性は、どこか落ち着かない様子でソファーに腰を下ろしました。

「あの…、相続した実家を売ったんですが、数か月して買主さんから“雨漏りしてる”って連絡があって…、もう引き渡したんだから関係ないだろう、と思ってたんですけど、不安になって…」

その声には、安堵と不安が入り混じっていました


「やっと売れて肩の荷が下りた」と思った矢先…

それは、両親の思い出が詰まった家に対する
複雑な気持ちを再び呼び起こしていたのです


【雑談から余白】
不動産は少し特別かもしれませんね。引き渡し後でも、雨漏りやシロアリ、地盤の不具合、境界の不備など“隠れた欠陥”が見つかると、売主が責任を問われる場合があります。

「え?売った後なのに?」と男性が驚いた

「そうなんです。欠陥を知ってから1年以内なら、買主は修理や損害賠償を求めることができるんですよ」

男性は、しばらく黙って天井を見上げながら「…家って、引渡してからも責任がついて回るんですね。親から受け継いだものだから、綺麗にしたかったけど、簡単には終わらないんですね…」


私は微笑んでうなずきました

売買契約書に適用除外は入れなかったのですか?

例えば、「本物件は現状有姿のまま引き渡すものとし、売主は本物件の隠れた瑕疵その他契約不適合について、故意又は重大な過失がある場合を除き、一切の責任を負わない」とか

全てを適用除外にすることはできませんが
社会通念上妥当な範囲は可能だと思います


【ミライ談話室】
人は、不安や違和感を抱きながら生きています

すぐに解決できるものもあれば
時間の必要なものもあります…


「ちょっと気になる」「なんか違和感がある」

そんな時こそ、ひとりで抱え込まないで
ミライ談話室の扉をノックしてください

心の違和感を一緒に整えていきましょう
その違和感こそ“ミライの扉”かもしれません


【本日の法的根拠】
今回は、民法第562条(契約不適合責任)です

※記事は、一般的なケースをわかりやすく紹介したものであり、実際の取引では契約内容や特約によって扱いが異なる場合があります。個別具体的な事案については、専門家にご相談ください。

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