【本日の談話室】第23話
~相続財産がもらえない~
何気ない日常の中にも
実は“知らないと損をする法律”が潜んでいます
このシリーズでは
その中でも、特に身近な法律事例を紹介します
【雑談から傾聴】
夕暮れの談話室
静かに入ってきた女性は
少し戸惑いながらも椅子に腰を下ろしました
「実は、父が亡くなって遺言が出てきたんですが
そこに“全財産を次男に相続させる”と書かれていて
私は長女ですが、何ももらえないんでしょうか?」
声を震わせながら、その遺言書を差し出しました
【雑談から余白】
「遺言の効力は、とても強いのですが
それでも守られている権利が“遺留分”です」
女性は、はっと顔を上げました
「い、遺留分…ですか?」
「はい。子どもや配偶者(妻)などには
“最低限は相続できる”という取り分があります
もし侵害されているなら、請求できるんですよ」
女性の目に少し希望が戻りました
「ただし注意点もあります
遺留分侵害額請求の権利は
侵害を知った時から1年以内に行使しないと
相続開始から10年で消えてしまうんです」
女性は深く頷きました。
「…悩んでいる時間はあまりないんですね」
そこで私は、もうひとつの大切な点を伝えました
「さらに、もしお父さんが、誰かと一緒になって
“相続人を害する目的”で財産を贈与していた場合
その財産も遺留分侵害額請求の対象になります
例えば、相続直前に愛人に多額の贈与をしたなど
意図的に相続を侵害するようなケースですね」
女性は驚いた顔で息をのみました
「そんな場合まで守られているんですか…?」
「そうです。法律は“不公平な排除”を
許さない仕組みを持っているんですね」
【補足メモ】
民法には「原則」と「例外」がありますので
原則はダメだけど、例外規定なら大丈夫とか
ご自身のケースをあてはめながら
原則と例外を確認することも必要なんです
【ミライ談話室】
人は、不安や違和感を抱きながら生きています
すぐに解決できるものもあれば
時間の必要なものもあります…
「ちょっと気になる」「なんか違和感がある」
そんな時こそ、ひとりで抱え込まないで
ミライ談話室の扉をノックしてください
心の違和感を一緒に整えていきましょう
その違和感こそ“ミライの扉”かもしれません
【本日の法的根拠】
本日は
民法第1044条(遺留分算定における贈与の扱い)
民法第1048条(遺留分侵害額請求権の期間制限)
※相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効により消滅する。相続開始の時から10年を経過した時も同様とする。
※記事は、一般的なケースをわかりやすく紹介したものであり、実際の状況等によって扱いが異なる場合があります。個別具体的な事案については、専門家にご相談ください。
【相続財産がもらえない】

