【本日の談話室】第27話
~退去時のリフォーム代~
何気ない日常の中にも
実は“知らないと損をする法律”が潜んでいます
このシリーズでは
その中でも、特に身近な法律事例を紹介します
【雑談から傾聴】
土曜の午後、談話室に訪れたのは
引っ越しを終えたばかりの30代男性
すっきりした顔の中に
少しだけ腑に落ちない表情が残っていた
「…あの、聞いてもいいですか?」
彼は、話しづらそうに切り出した
「前に住んでいたアパートすごく寒かったんです
だから自腹で内窓をつけて、あと断熱材も入れて
結構な金額で…30万円くらいかかりました
それで、退去のときに
『大家さん、これ次の人にも役立つでしょ?
せめて半額でも…』って言ったんですが…」
彼は言葉を濁した
「…そんなの知らんって、一蹴されまして…
これって、返してもらえないんですか?」
【雑談から余白】
この話、意外と多いんです
住みやすくするため借主が自分で手を入れた設備
でもそれを費用として返してもらえるか?
これも、法律上は明確に区別されています
それが「必要費」であるか「有益費」であるか
それによって返還の是非と、その時期が決まる
今回は、有益費に該当するかどうか、ですね…
【補足メモ】
「必要費」とは、賃貸人の負担に属する費用で
これを支出した場合は、直ちに償還を請求できる
(大家さんの代わりに払ったから返してね)
「有益費」とは
その価格の増加が現存する場合に限り
賃借人の選択により
支出した金額又は増加額を請求できる
※部屋の価値を高めるようなリフォームなどにかかった費用で、その“価値が今も残っている”場合に限り、返還を求めることができます
(グレードUPしたから大家さんも負担して)
認められない場合は、せっかく取り付けた設備を退去時に置いていくことになりますので、事前に契約書の条項を確認しておきたいですね。最近では、賃貸借契約書に“有益費の償還請求権を放棄する”旨の条項が盛り込まれるケースもあり、付加設備等を権利放棄して、賃貸人に所有権帰属させることになると思います。
【ミライ談話室】
人は、不安や違和感を抱きながら生きています
すぐに解決できるものもあれば
時間の必要なものもあります…
「ちょっと気になる」「なんか違和感がある」
そんな時こそ、ひとりで抱え込まないで
ミライ談話室の扉をノックしてください
心の違和感を一緒に整えていきましょう
その違和感こそ“ミライの扉”かもしれません
【本日の法的根拠】
本日は
民法第608条(賃借人による費用の償還請求)
民法第196条(占有者による費用の償還請求)
※記事は、一般的なケースをわかりやすく紹介したものであり、実際の状況等によって扱いが異なる場合があります。個別具体的な事案については、専門家にご相談ください。
【退去時のリフォーム代】

