【本日の談話室】第25話
~婚姻20年のプレゼント~
何気ない日常の中にも
実は“知らないと損をする法律”が潜んでいます
このシリーズでは
その中でも、特に身近な法律事例を紹介します
【雑談から傾聴】
柔らかい陽射しが差し込む談話室
70代のご夫婦が並んで腰を下ろしながら
ご主人が少し照れくさそうに口を開きます
「実は、妻に家を贈与したいんです
もう50年近く連れ添ってきましたし
これからも安心して暮らしてほしくて」
奥様は驚いたように夫を見つめ
ご主人に、優しい笑みを浮かべました
「まぁ…あなたからそんな言葉が出るなんて…」
【雑談から余白】
私も、微笑みながら答えました
「とても素敵なお考えですよね
実は法律にも
“長年連れ添った夫婦”を守る特例があるんです」
ご夫婦は、同時に首をかしげました
「婚姻20年以上の夫婦の場合
居住用不動産やその購入資金を贈与したときは
贈与税の特例、相続税の特例があるんですよ
つまり、他の相続人から“持ち戻せ”と言われず
奥様のものとして守られるんですよ」
奥様の目が潤みました
「じゃあ、安心して受け取れるんですね」
「はい。人生を共にしてきたご褒美です」
ご主人も安堵の表情を浮かべ手を握り合いました
【補足メモ】
ただ…少し気をつけたい点もあります
例えば…
70代の奥様に不動産を贈与した場合、基礎控除を含めて2,110万円の評価額までは控除されますが、不動産評価額が2,110万円以上の場合はどうなるか…超過分の贈与税を支払うか持分調整(例えば75/100など)することになりそうですね。それと、相続税の特定居住用宅地の評価減80%もありますから、全体の財産を考慮して決めた方が良いですね。
あとは、不動産取得税や固定資産税にも注意が必要です。また、相続発生時に他の相続人への対策として「配偶者居住権」を設定するという方法もあります。
【ミライ談話室】
人は、不安や違和感を抱きながら生きています
すぐに解決できるものもあれば
時間の必要なものもあります…
「ちょっと気になる」「なんか違和感がある」
そんな時こそ、ひとりで抱え込まないで
ミライ談話室の扉をノックしてください
心の違和感を一緒に整えていきましょう
その違和感こそ“ミライの扉”かもしれません
【本日の法的根拠】
本日は
民法第903条4項(特別受益者の相続分)
婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは…
「実務では、この“持ち戻し免除”により他の相続人との争いが回避されるケースもあり、円満な相続対策となり得ます」ただし、全体を俯瞰して考えましょう。
※記事は、一般的なケースをわかりやすく紹介したものであり、実際の状況等によって扱いが異なる場合があります。個別具体的な事案については、専門家にご相談ください。
【婚姻20年のプレゼント】

